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植木 植栽 花-伊丹の記事一覧

まだまだ風が冷たいですが、日差しはすっかり春。
サクラの開花が待たれる季節となりました。
ちょうど今頃の時期、サクラに先駆けて春を告げる花ヒュウガミズキ(Corylopsis pauciflora)とトサミズキ(Corylopsis spicata)

  

同属で少し似ていますが、小さな花が2~3個連なるのがヒュウガミズキ(左)、5~8個くらい連なってブドウの房のようになるのがトサミズキ(右)です。
その特徴のとおりヒュウガミズキの種小名 pauciflora は「花が少ない」の意。
個人的にはややコンパクトに育ちやすいヒュウガミズキをよく植栽に入れます。
株立ちの樹形が美しいバランスをつくり、まるい葉の形はよいアクセントになります。

  

ちなみにトサミズキはその名のとおり高知の山地など四国出身ですが、ヒュウガミズキは日向には自生しないそうでその名の由来は諸説ありながらも謎。
決して派手な花ではありませんが、落葉樹が芽吹く前、まだ他の花の少ない頃にぽつりぽつりと咲く淡い黄色はよく目につき春の訪れの喜びをもたらしてくれます。


こちらはいつかの鳥取県 湖山池ナチュラルガーデン
ポールスミザーさん監修、秋はバラの実や様々な種類のオーナメンタルグラスが美しい庭です。

中でもこの日特に目をひいたのが一番手前、ピンクのかすみのような穂が美しいミューレンベルギア・カピラリス(Muhlenbergia capillaris)
北米出身のネズミガヤの仲間でミューリーグラス、ピンクミューリーなどと呼ばれることもあります。
オーナメンタルグラスやナチュラリスティックガーデンの流行に伴い人気が高まっているようで、パブリックな植栽スペースなどでよく見かけるようになりました。
暑さ寒さに強くこのあたりの平地でも育てやすいのですが、写真のとおりそこそこ大きくなります。
そして、ある程度大株に育てるほうがこの植物のよさ、スモークのような美しさが生きるのではないかと思います。
株が小さいうちもちょろちょろ穂は出ますがまばらでピンクの色も感じにくく、イメージしていたのと違うと感じられるかもしれません。
残念ながら花期はあまり長くなく、穂の上がっていない時期は雑草みたいと言われてしまうこともありますが、常緑でまさにオーナメンタルな草姿もまた魅力のひとつ。
そんなわけで植え場所など検討は必要ですが、花の少ない時期に彩を添え、他の植物とは一風変わった趣を醸し出してくれる注目のグラスです。

郷里高知県出身の植物学者、牧野富太郎博士がモデルとなった朝ドラ「らんまん」が完結となりました。
フィクションながらも日本の植物学の黎明期にまつわる様々なエピソードは史実にある程度基づいていてとても興味深く、
物語としても全編通して静かながらも泣けたり笑ったり心揺さぶられる美しいストーリー。
印象的ですてきなカットや台詞がたくさんありました。
地元高知の盛り上がりはもちろん、植物採集や講演などで日本全国にその足跡が残っていることから
各地の様々な施設やメディアで特集が組まれ、植物園ブームも起こり、
道端の草花に目をとめるようになったというような声もよく聞かれます。
そういった流れも含めてこの半年間とても楽しませていただきました。

こういった先人の皆様の悲喜交々の先、今日ではスマホをかざすだけで植物名が分かってしまうすごい世の中となりました。
名前を知るとその植物に対する認識はきっと以前とは違ったものになるでしょうし、そこから得られる情報もまた広がります。
これらが一過性のもので終わることなく、引き続き多くの人が植物にそして高知にも興味を持ってくれるといいなと思います。


こちらは協力業者さんとのコラボ現場。
植栽を担当させていただきました。
施工後約1年が経ち、きれいになったよと写真が届きました。

メインガーデンに繋がるこちらのスペースは建物に囲まれて陰になりがちな場所でしたが、
アーチにバラとクレマチスを絡ませたいとのご要望。
バラは日当たりが良くない場所でも比較的咲きやすいと言われるつるバラ サマースノーを選びました。
花は6㎝程度の小中輪房咲きで、いかにもバラという華やかなタイプがお好みの方には
少々物足りなく感じられるかもしれませんが、花付きがよく病虫害が少なくて丈夫、枝はしなやかで誘引がしやすく
トゲが少ないというとても扱いやすい優秀なバラです。
逆側からはこちらも日陰で咲きやすいクレマチス篭口を絡ませており、ベルのような花がチラホラと見えています。


こちらは昨年の植付け作業中の様子。
サマースノーは1m少々くらいの苗でした。
初年度はまだそれほど咲かないのではと思っていましたが、絵に描いたように理想的な形でアーチを覆い、
花もたくさん咲いてくれました。
白バラと紫のクレマチス、足元にはアガパンサスのブルー、アオキ・ピクチュラータの黄色などを合わせて
初夏の日陰を明るく涼しげに彩る計画。
施主さまの細やかなお手入れにより想定以上の仕上がりとなりました。

以前に花壇のお花のメンテナンスについてご紹介したことがありますが、グリーンテリアではコンテナの植栽もさせていただいています。
単発の場合から夏と冬の年2回、2ヶ月に1回くらいなどご家庭により植替えパターンは様々。
切り花のアレンジのように毎回気分を変えて楽しんでいただいています。
年が明けて春に向かう時期は市場の植物の種類がどんどん充実してきて色も華やかになり、地植えの植物が目覚める前のお庭にひと足早く春らしさが加わります。
家で過ごす時間が長くなっている昨今、少しでもみなさまの心の潤いや癒しになっていたらいいなと思います。

物騒なタイトルとなってしまいましたが…
この時期、現場で起こりがちな事象

ワンちゃんのお散歩や公園で遊んだあとなどに同様の体験がおありの方もおられるのではと思います。
この小さな枝豆のような三角の集まりはアレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)という草の実。
いわゆるくっつき虫の中でも細かくてくっつく力が強いやっかいなやつのひとつです。
ひどいときは職人さんの作業着全身にびっしりなんてことも。
人や動物にくっついて遠くまで運んでもらい仲間を増やす彼らの生存戦略なわけですが、
何かを盗るわけではないので「ヌスビト」の名はいまいちしっくりこない気がします。

この実がつく前に咲くピンクの花はハギに似て意外とかわいらしく、こんな花植えてたかしら
と雑草と気付かずにお庭で大切に育ててしまうケースがよくみられます。
私が子供の頃はヤエムグラやオナモミなどくっつき虫で服に絵や文字を描いて遊んだりしたもので、
かわいいお花を観賞して子供さんとくっつき虫遊びを楽しみたいという方は育ててみるのもありでしょう。
ただ、知らずに育ててしまった場合はデリケートなニットや毛足の長いペットにくっつくとなかなか後が大変。
繁殖を避けたい場合は
ご自宅のお庭で植えた覚えのないハギのような花を見つけたら花が終わらないうちに撤去して実をつけさせないこと。
外出先でくっついてきたらお庭の中で落とさないように処分すること。
以上が鉄則です。

そんなわけで、襲い来るくっつき虫に怯むことなくグリーンテリアは本日も元気に稼働中です。

昨年工事させていただいたお庭
レンガの花台のあるシェードガーデン

久しぶりに訪問させていただいたら植物が想像以上に生長し、劇的に美しくなっていました。


アナベル以外のアジサイはもともと植えられていたもの。
お住まいになってからほとんど咲いたことがなかったそうですが、工事の際に植え場所を変えたことで日当たりが改善され
たくさんの花をつけていました。
他にも春にはあれもこれも咲いてかわいかった…など施主さまがひとつひとつ様子を教えてくださり、
とても大切にお庭を育て、楽しんでくださっていることが感じられて私たちもうれしくなったのでした。

つい先日、春の陽気の中での植栽工事。
シンボルツリーの植替えをはじめ、玄関まわりの植栽を新しくさせていただきました。

中でもこちらの花壇はトクサがぎっしり。

生育が大変旺盛なトクサは地下茎を伸ばし、どこまでも広がっていきます。
こちらのお宅では囲われたスペースに植えられていたので広がる範囲は制限されていましたが、
理想としてはもう少し奥ゆかしく点々と生えるようなイメージだったとのこと。

そんなわけで今回はトクサを撤去。
「和風」「モダン」のテイストは保ちつつ、大小の石を使って間をもたせ、
ひとつひとつの植物の形が映えるようイメージチェンジさせていただきました。

植物がめまぐるしく成長するこの時期は植栽工事の効果も顕著です。
シンボルツリーのイロハモミジはすでに芽吹いて葉が開き始めており、間もなく美しい青モミジが楽しめそうです。
春休み中のお子様たちも「木をもう少しこっちに傾けて…」という感じでいっしょに監督して、
仕上がりを大変喜んでくださりました。

グリーンテリアは本日7日より新年の営業を開始させていただきました。

2021年がみなさまにとって佳き年となりますように、
そして庭や植物に関わる私たちの仕事がみなさまの心穏やかな暮らしに少しでもお役に立てましたらと思います。

本年も何卒よろしくお願い申しあげます。

エクステリア&ガーデン グリーンテリアのノナカです。

3連休は暖かくなり、芦屋川ではソメイヨシノが少しずつ咲き始めています。

そんな中、グリーンテリアの事務所にも小さな春が。

こちらはランポー玉(鸞鳳玉)というサボテンの仲間です。
日頃はまるで和菓子のような石のような姿をしていますが、こんなふうに中央の部分から花芽が発生して花を咲かせます。
  
図鑑などによると春から秋くらいにかけて繰り返し何度か花をつけるということなのですが、
実際のところ花を見るのは約1年ぶり(育て方がスパルタすぎなのか…)
年に1度だけ、しかも1日で閉じて終わってしまう花なので、開いた瞬間は喜びもひとしおな感じです。

本当に些細なことなのですが、植物は日々たくさんの幸せや力をもたらしてくれるものだと
こんな時だからなおさら感じます。
みなさまにもそんな植物のある暮らしの幸せを伝えたい、グリーンテリアは今日もそんな思いで
木を植えさせていただいています。
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